システムレベルのESD保護とは?
今日の電子機器は、豊富な高性能データトランシーバー集積回路とインターフェイス(USB、HDMI、LVDS、イーサネット等)によって実現されています。消費者がより小さなフォームファクターでより高性能な電子機器を求めるようになり、これらの製品を実現するチップも同様に、より小さなプロセスジオメトリーに対応するようになります。このようにIC開発が進むにつれ、フォームファクターやプロセスノードの小型化も進んでいますが、静電気放電(ESD)の脅威による損傷やラッチアップに対するこれらのデバイスの脆弱性は増しています。
今日の電子システムをESD過電圧ストレスによる損傷から適切に保護するためには、システムレベルでのESDプロテクションデバイスが必要です。Semtechは30年以上に渡り、産業用、通信用、自動車用アプリケーションの市場で最先端のデータインターフェースを保護する、高性能なESDおよびトランジェント電圧保護ソリューションを提供してきたマーケットリーダーです。
ESDとは?
静電気放電(ESD)とは、物質の表面にある電子が誘導や摩擦帯電によって再分布され、電荷の不均衡が生じて電界が発生する自然現象のことです。静電界が十分に強くなると、電荷は電位差を超えて平衡しようとし、静電気放電と呼ばれる激しい電気ショックを起こすことがあります。これらの一般的な電気ショックは、人間には無害ですが、サブミクロンのマイクロエレクトロニクスベースのデバイスには壊滅的な結果をもたらすことがあります。
ESDに脆弱なインターフェース
Semtechのトランジェント電圧サプレッサー(TVS)回路保護ダイオードは、ESDや雷等の破壊的なトランジェント現象による損傷やラッチアップからデータインターフェースを保護します。Semtechのプロテクションデバイスは、低クランプ電圧、低静電容量、低リーク電流を特徴としています。
データインターフェース保護市場のリーダーであるSemtechが提供するTVSデバイスは、電子システムで一般的に見られる重要なデータポートやESDに敏感なタッチポイントをすべて保護します。ここでは、SemtechのESD保護ポートフォリオが保護している数多くのデータポートの一例をご紹介します。
ESDプロテクションデバイスの選び方
適切な回路保護デバイスを選択することは極めて重要です。ESDプロテクションデバイスには、トランジェント現象に対する適切な定格が求められるだけではなく、ESDデバイスの電気的パラメータがデータインターフェース上で望ましくない信号整合性の問題を引き起こさないようにしなければなりません。優れたESDプロテクションデバイスは一般的に、極めて速い応答時間、低い動作電圧とクランプ電圧、低いリーク電流、および低いキャパシタンスを特徴とします。Semtechが提供するTVSダイオードはロバストなだけではなく、高いピークESD電流を阻止し、製品に使用される部品のライフタイムを通して安定した性能を発揮するように高度に設計されています。
Semtechが提供するShieldブランドデバイスは、特定のデータインターフェース(USB、HDMI、イーサネット等)を、ESD・サージ・その他の過電圧・トランジェント電圧の脅威による破壊的な影響から保護する、実証済みのTVSプロテクションソリューションです。ShieldシリーズのTVSプロテクションデバイスは、これらのインターフェースを安全に保護するために高度最適化されています。また、業界で最も厳しいEMC要件を上回ることで、システム設計者の製品化までの時間を短縮します。