LoRa®とは?

LoRa(長距離を意味するLong Rangeの略)は、チャ―プ拡散スペクトル(CSS)テクノロジーから派生したスペクトラム拡散変調テクノロジーです。SemtechのLoRaは、モノのインターネット(IoT)ワイヤレスプラットフォームの事実上のスタンダードとなっている長距離・低消費電力のワイヤレスプラットフォームです。LoRaデバイスとLoRaWAN®などのネットワークは、エネルギー管理、天然資源の減少、汚染対策、インフラの効率化、災害予防など、地球が直面している極めて困難な課題を解決するスマートIoTアプリケーションを実現します。SemtechのLoRaデバイスは、スマートシティ、スマートホームやビルディングに加え、コミュニティ、計量、サプライチェーンやロジスティックス、農業などのスマート化で数百以上のユースケースに活用されています。100か国以上で数億台のデバイスがネットワークに接続されており、その数が増え続ける中で、LoRaはスマートな地球の実現に貢献しています。

SemtechのLoRaテクノロジーの応用

テクノロジーエコシステム

LoRaデバイスとLoRaWAN標準規格は、長距離、低消費電力、安全なデータ伝送など、IoTアプリケーションに求められる魅力的な機能を提供します。パブリックネットワーク、プライベートネットワークやハイブリッドネットワークで利用できるテクノロジーで、セルラーネットワークよりも広範囲をカバーします。既存のインフラに簡単に組み込むことができ、低コストでバッテリー駆動のIoTアプリケーションを実現することができます。SemtechのLoRaチップセットはIoTソリューションプロバイダーから構成される大規模なエコシステムで製造されたデバイスに組み込まれており、世界中のネットワークに接続されています。LoRaはまさに、デバイスをクラウドに接続し、モノに「声」を提供し、世界をより住みやすく、働きやすく、遊びやすい場所に変えるソリューションです。 

LoRaとLoRaWANの違い

LoRaとLoRaWAN®

LoRaはSemtechが開発したシリコン、LoRaWAN®はSemtechが設立メンバーであり、ボードスポンサーを務める非営利の技術アライアンスLoRa Alliance®が管理する相互運用性のための標準規格です。広大なLoRaWANエコシステムで大半のIoTユースケースの解決が可能ですが、独自のネットワーク実装を加えたLoRa PHYを活用することもできます。その一例が、スマートホームやコミュニティのアプリケーションを実現するAmazon Sidewalkネットワークです。ディプロメント中のLoRaエンドノード数は数億点に達し、ほぼすべての業界の市場で活用されています。 

LoRaデバイス - どこでもつながる

IoT通信用に設計されたLoRaデバイスは、遠隔地のエンドノードと低消費電力広域ネットワーク(LPWAN)との接続を可能にし、分析アプリケーションへの配信を実現します。

デバイス

LoRaの変調方式:LoRaは、長距離通信リンクの作成に使用される物理(PHY)シリコン層、すなわちワイヤレス変調方式を使用しています。

トランシーバーとエンドノード:LoRaデバイスで構成されたトランシーバーが、多数の産業アプリケーション用に設計されたエンドノード(センサーデバイス)に組み込まれます。

ピコセルとゲートウェイ:センサーは、距離や屋内外の違いにかかわらず最小限の消費電力でデータを捕捉し、ゲートウェイに送信します。

ネットワーク

ネットワークサーバー:ゲートウェイがWi-Fi、イーサネットやセルラー経由で情報を無線によるアクティベーション、データの重複排除、ダイナミックフレームルーティング、アダプティブレートコントロール、トラフィック管理、管理などのネットワーク管理機能を担うネットワークサーバーに送信します。

アプリケーション

アプリケーションサーバーとクラウドIoTサービス:アプリケーションがセンサーの収集したデータを解釈し、機械学習や人工知能などの技術を応用して、よりスマートな地球を実現する上でのビジネス上の課題を解決します。

LoRa Cloudロゴ

LoRa Cloud™サービス

SemtechのLoRa Cloudサービスは、ソリューションプロバイダーがより少ない開発費でより迅速に価値を提供できるよう、使いやすい「素材」を提供します。本サービスを利用することで、開発者は、ゼロからソリューションを構築することに伴う複雑な開発を行うことなく、マルチモーダルな位置情報機能(Wi-Fi、GNSS、LoRaWAN経由のジオロケーションを含む)を活用したIoTソリューションを迅速に構築することができます。LoRa Cloudサービスは、ディプロメントオプションの柔軟性、費用対効果、使いやすさを考慮して最初から設計されています。

LoRaの主な特徴

LoRa長距離
長距離
地方では最大30マイル離れたデバイスを接続し、密集した都市部や到達が難しい屋内環境にも対応
LoRa低消費電力
低消費電力
最小限のエネルギー消費で最大10年のバッテリー寿命を実現し、電池交換のコストを最小限に
LoRa安全
セキュア
エンドツーエンドのAES128暗号化、相互認証、完全性保護と機密性を完備
LoRa標準化
標準化
デバイスの相互運用性とLoRaWANネットワークのグローバルな可用性を提供し、あらゆる場所でIoTアプリケーションをスピーディにディプロメント
LoRaジオロケーション
ジオロケーション
GPS不要の追跡アプリケーションを実現し、他の技術にないユニークな低消費電力のメリットを提供
LoRaモビリティ
モバイル
稼働中のデバイスとの通信を無理なく維持し、消費電力を低レベルに
LoRa大容量
大容量
基地局1基あたり数百万件のメッセージをサポートし、大規模市場にサービスを提供する公共ネットワーク事業者のニーズを充足
LoRa低コスト
低コスト
インフラ投資、バッテリー交換費用に加え、最終的には運用コストも削減

集積回路の枠を超えて

Semtechは、モノのインターネット(IoT)アプリケーションを簡素化し、ソリューションプロバイダーやシステムインテグレーターの市場投入までの時間を短縮するため、LoRa製品ロードマップの開発に取り組んでいます。

LoRa Edge™
プラットフォーム

幅広い屋内外の資産管理アプリケーションを実現する、汎用性の高いソフトウェア定義プラットフォーム。

LoRa Basics™ Modem-E

デバイスのプロビジョニング、管理、運用やローカリゼーションを単一のAPIにシームレスに統合する高度に統合された新しいネットワークアーキテクチャ。

LoRa Cloud™

LoRaデバイスやLoRaWANネットワークを活用するデバイスのための付加価値の高いAPIが見つかります。

LoRa Edgeトラッカー
レファレンスデザイン

デバイスメーカーやシステムインテグレーターが資産の位置情報や紛失・復旧、ジオフェンシングなどのアプリケーションを構築する際に必要な情報をまとめたガイド。

LoRa Corecell
レファレンスデザイン

LoRaWAN規格に基づいて開発されており、家庭、ビル、工場の自動化をターゲットにしています。

開発者向け
キット

企業やシステムインテグレーターがよりスマートで効率的なスマートビルディングと資産管理ソリューションの開発を加速するために設計されたIoTキット
LoRaで市場投入までの時間を短縮

開発を簡素化し、市場投入までの時間を短縮

Semtechは、ネットワークに接続されたソリューション構築の複雑さを軽減し、スピードを上げるために必要なツールを提供することで、イノベーターを支援します。一連のアクセラレーターが、LoRa Edge資産管理プラットフォームを活用したIoTアプリケーションの開発、ディプロメント、管理のプロセスを効率化します。LoRa Cloudは、ライフサイクル管理機能一式を備えたLoRa Cloud Device & Application Services、LoRaWANネットワークに接続されたあらゆるデバイスの位置追跡を可能にするLoRa Cloud Geolocation、アプリケーションの所有者が事前設定されたモデムデバイスを要求できるLoRa Cloud Device Joinなど、一般的な開発作業を簡単に解決するための付加価値の高いAPIを提供しています。

LoRaデバイスのメリット

スマートユーティリティ

自動のリモート検針の導入で水道管理のデジタルトランスフォーメーションをリードする

1200箇所の漏水を特定し、位置を判定して修理

年間で100万立方メートルの水を節約

水道網の効率性を8%向上

スマートロジスティクス

コールドチェーン冷凍における全く新しい資産品質管理アプローチ

手作業での食品の芯温モニタリングを置き換え

レガシーシステムに対応した改良ソリューションを構築

新しいセンサー技術で食品の芯温を予測

スマートビルディング

水の無駄と漏れを解消

上下水道の使用量平均削減率22%

18が月の平均ROI

Costcoとのパイロットプロジェクトに成功し、世界500以上の拠点へ拡大

スマート環境

自然回復力が向上し、農業用水の無駄を解消

顧客の水使用量を最大30%削減

遠隔地の水分センサーデータを取得

精度の高い灌漑により水使用量を削減